夜、屋上、対決2

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  「帰る」   笑う僕=私に背を向ける彼は出口に行こうとする。   それに、私は笑顔をやめた。   『そう言って逃げるの』   その言葉に彼の足が止まる。   振り返らない彼に私は言葉を続けた。   『犯人の件、まだ答えを聞いてないよ!』   「・・・・・はぁ」   私の言葉に彼はゆっくりと振り返った。そして真っ直ぐに私を見つめる。   「何、まだゴッコ続けるの?」   『僕は本気で言ってるんだ!』   真っ直ぐに視線を返して私は言い返す。すると、また彼の顔から表情が消えた。   『確かに全部と言ったのは大袈裟かもしれない。けれど君が意図的、又は引き金になっている事件がある。何個もね』   それを聞き、彼は笑い声を上げる。けれど今度はふざけた雰囲気はなかった。   「俺が黒幕ってこと?おもしろい」   『・・・・・』   「夜は長い、時間の許す限り聞いてやるから、お前の推理を聞こうか」   時計を確認すると彼はゆっくりと私に近づく。   いつもと違う彼の様子に私は後退しそうになる足を必死で堪えた。   そして、二人の顔が互いに確認出来る位置まで来ると彼は足を止めた。   「さぁ、はじめようか」   見つめ合う二人。   『・・・・・』 「・・・・・」 『・・・・・』   そして私は彼を見つめると、ゆっくりと口を開いた。   『本当に長くなりそうだから飲み物とか買ってきていい?』   「おい!?」   夜の冷たい風が私と彼を通り過ぎる。      
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