2.手を出すな

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「逆に…できないって思い込んでるヤツは、どうやっても、いつまで経っても、何もできないわ」 「………」 黙り込むオレは、ユーリの横顔を見つめる。 と、急にその顔がこっちを向いた。きれいな緑の瞳と、目が合う。 「あんたが木宮をどうしたいかは、知らないし、どうでもいいけどさ…」 「………」 「やるっていうなら、簡単に"無理"とか言わない方がいいわよ」 ユーリの言葉には、言い様のない重みがあった。 「弱気も、半端な気構えも、相手をバカにするだけで終わるわ」 「………」 「よく知りもしない相手と話すんだから、それくらいは覚えといて」 言いたいことは言ったのか、ユーリは歩き出す。オレたちはいつの間にか、廊下で立ち止まっていた。 「………」 …励ましってヤツ? 「…ユーリ」 「何よ」 オレが呼びかけるのを待っていたかのように、すぐに反応するユーリ。 「何つーか…サンキュ」 後頭部を掻いて言うと、振り向いたユーリは、 「…何照れてんのよ、バカ」 わずかに赤くなって、思わぬことを言った。 「照れてるって…オレが?」 どこを見てそう思ったんだ?
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