Waltz=Ⅰ

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感染する様に広まる。 初めは違っても、何人も殺す内に感覚が麻痺してくる。 殺らなければ殺られる。 手に持った武器で、その人間の心臓を抉れ。 軍内の訓練でも、ただ只管に相手を一瞬で仕留める方法を叩き込まれる。 (血も叫びも慣れた) それは俺が狂っていく過程で。 嘆くべきなのか喜ぶべきなのか。 俺には判らない。 だがきっと、こうやって哂う連中は、己が狂っていっている現状すら判らないのだろう。 『ご馳走様』 「お、なんだよエヴァ。もう戻るのか?」 『…寝る』 「つれねぇなぁ。しかも相変わらずその変な言葉も言うんだな」 「仕方ねーよ、それがエヴァなんだからよ」 俺は手を振る連中を無視して、食堂を後にした。 胸糞悪い。 殺した人数を平然と数える連中も。 次の殺しに焦がれる連中も。 それを、大声で否定出来ない俺自身も。 <命って何だ> <生きるって何だ> <俺は、> <ただ狂うしかないのか> †
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