143人が本棚に入れています
本棚に追加
がたがた…ぶろろろ――。
不規則に揺れながら走るバス。
殆んど乗客のいない、この時間帯。
ゆらゆらと二人、肩を並べてバスに揺られている。
「高瀬さーん」
「……ん…」
「つまんないです、高瀬さん」
相当疲れていたのだろう。
バスに乗って数分後には眠ってしまった彼女。
何を言っても反応が全て小声だ。
がたがた…ーーがったん!
「わっ……と、?」
突然バスが大きく揺れた。
地盤の悪い道だ、と今更ながら思う。
崩しかけた体を元に戻す。
すると片側から、くん、と軽い重み。
目をやれば、鼻の先に高瀬さんの寝顔。
最初のコメントを投稿しよう!