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視界に、白衣を着た小太りの女性が入ってきた。
「武田さん、意識が戻ったみたいですね。ここはどこか分かりますか?」
俺は何かをいおうとしたが、口の中ににビニール製の何かが入っていて言葉がでない。
「無理して話そうとしなくていいですよ。まだ鎮静剤が効いていますからね。ゆっくり寝ていて下さい」
目の前の女性にいわれるままに俺は目を閉じた。
意識がゆっくりと消えていく。
全身の痛覚神経を同時に針で刺されるような、体が火で包まれたような痛みで目が覚めた。
あまりの痛みに眼が素早く左右に痙攣して視線が定まらない。
俺は脂汗を流し、動かせる筋肉すべてを必死で動かした。
様々な単音が全音域で大音量の耳鳴りを作り出し、意識が切れそうになる。
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