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でも自由に歩きまわれてミランダ研究会に関わる前でも、俺の生活はたいして変わらないような気がする。
似たような講義、似たようなクラスメイト、退屈な未来、ファッション雑誌の真似をしないと服さえ買えない。
部屋に来た二人の刑事は俺の顔を見ると頭を下げた。
きっと俺を逮捕するのだろう。
ミランダ研究会に入会していた関係で、ざっと考えただけでも十数件、二十件近く犯罪を繰り返したのだ。
やばいじゃん、俺。
「医者から聞いたよ。今日から話が出来るようになったらしいね。我々がここに来た理由は、分かるね?」
年を取った方の刑事が警察手帳を見せながら穏やかに笑い、俺の顔を見る。
「さあ?なんの事だろ?レンタルビデオを返し損ねたかな」
久々の声は自分でも驚くほど澄んでいてた。
俺の意思に関係なく、口の方は準備万端だった。
もう一人の若い刑事はドア入り口に立っていて、俺の視界の端で俺を睨みながら手に持つ紙を読み上げる。
「武田昌也。十九歳。滋賀県立芸術工科大学人文学科芸術学専攻。入学してすぐミランダ研究会滋賀支部に勧誘され、入会。以後超能力班リーダー崎田の下で教えを請いながら非合法活動に従事。間違いないか?」
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