投獄

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「あの・・・あなた達も捕まって、と言ってましたが・・・一体、何が起きているんでしょう」 「フロイさんは、キャット団というのをご存知ですか?」 「キャット団・・・?」 聞き慣れない言葉に首を捻る。 それにしてもセンスのない名前だ。 セアラは頷いて 「最近、ギラン地方で問題になっている集団のことです。 徒党を組んで物品を奪って行ったり、民家にイタズラを仕掛けて行ったり。 自分から人を傷つけることはないらしいのですが、相手が抵抗すれば戦闘に発展することもあるそうです。 怪我を負わされた者も、少なからずいるようです」 「はぁ。それで、そのキャット団とやらが何か?」 「問題なのは、その集団が全員、召喚獣だということなのです。しかも、私達のようなヒューマンの召喚師が契約している、魔法界の精霊猫達」 「そんな!」 信じられなかった。 脳裏に、マオの白い姿が浮かぶ。 呼び出された猫達は、無垢で純粋で、人を疑うことを知らない。 そんな彼らが、そんなことをしているなんてあり得ない。 いや、だからこそ・・・どこかで、彼らを操っている者がいる・・・? 「我々は容疑者だ」 アスタユルが、相変わらず視線を外したままで話を引き継いだ。 「まさか、そんな・・・召喚師というだけで、疑われているんですか? 自分の召喚獣を悪事に利用して いるとでも?」 「彼らはそう考えている」 「馬鹿馬鹿しい!濡れ衣もいい所だ、よく調べもしないで!」 「果たして、本当に濡れ衣だと証明できるのかね?」 思い出したくもない、いまいましい声が、僕達の会話に割って入った。 肩越しに振り返り、扉を睨み付ける。 正確には、扉の上部に設えてある、監視用の小さな小窓を。 そこから覗く剣呑な瞳は、紛れもなくあの口髭鎧の男だった。
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