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「そんじゃ、アタシは行くよ。ここの奴等にお灸を据えてやらないと」
見た目を裏切らぬ身軽さで、ステップを踏むように元来た道を戻るマーナ。
ゴーレムの肩に辿り着くと、再び箱を手に腰を落ち着ける。
「盟主、申し訳ないのですが・・・」
「ほいほい、わかってるよ。あっちゃんは、まだやることがあるんだろ?」
アスタユルは、今度はその有難くなさそうな愛称を黙殺したようだ。
「はい。ブランシュを取り戻さないといけません」
「うむ、行っといで。やられた分はきっちりお返しして来い!アタシが許す!!」
うわははは、と、顔に似合わぬ豪快な笑い声をあげて、マーナはゴーレムを回れ右させる。
「あ・・あの、お世話になりました、盟主さん」
「ありがとうございました」
慌ててその背中に呼びかけると、隣でセアラも頭を下げた。
応えるように、ゴーレムが右手を挙げる。
「おらおらおらぁ!アタシのゴーレムに踏み潰されたい奴はどいつだあぁ!」
そんな言葉を叫びながら、少しずつ遠ざかって行った。
「テンションの高い盟主さんですねぇ」
「・・・言うな」
感心したようなセアラの言葉に、アスタユルは頭を抱えた。
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