プロローグ

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2011年2月13日午前6時30分 千葉県習志野駐屯地 陸上自衛隊前期教育課程 鈴原優司3等陸佐 鈴原 「整列!!」 若い隊員たちがビシッと整列した。 鈴原が1人1人を見ている。 鈴原が1人の隊員の前で立ち止まった。 鈴原 「林」 林 「はっ!!」 鈴原 「お前に2つ不足している所がある。なんだか言ってみろ」 林 「………。わかりません!」 鈴原 「まずシャツだ。しっかり入れろ。それから認識票だ。北海道有事から常に着けているという規則ができたのを忘れたのか!!」 林 「も、申し訳ありません!!」 鈴原 「…………。その場に腕たて20回。始め」 林が腕たてを始めた。 林 「………11!12!13!」 林は20回腕たてを終えた。 鈴原 「じゃあ後は中崎1曹に一任する」 鈴原は外に出た。 … …… ……… 隊員たちが64式小銃を持ち、トラックを回っている。 バドドドド…… 鈴原は音源を探した。 するとUH-60JAが低空で飛行して来た。 鈴原 「………」 青空が本当にキレイだった。 中崎 「鈴原3佐」 鈴原は中崎に視線を移した。 鈴原 「どうした?」 中崎 「予定している訓練は終了しました」 鈴原は時計を見た。 鈴原 「もうそんな時間か。宿舎前に集合」 ボケッとしていたらあっと言う間に時間が過ぎてしまったらしい。 宿舎前 鈴原 「今日はご苦労だった。よくがんばったと思っている。以上だ。解散」 中崎 「鈴原3佐。基地司令がお呼びです」 鈴原 「?」 基地司令室 鈴原 「鈴原3等陸佐。入ります」 司令 「入れ」 鈴原は敬礼した。 司令 「さて…。どうだ?新隊員たちは?」 鈴原 「まだまだですよ」 司令は机からファイルを出した。 司令 「ではもっと骨のある隊員はどうだ?」 鈴原にファイルが渡された。 鈴原 「これは……」 司令 「鈴原3佐を特殊作戦群第1中隊隊長に任命するそうだ。優秀な指揮官が必要らしいからな。がんばってこい」 鈴原 「はっ!」
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