3/8
前へ
/127ページ
次へ
 ‥‥‥‥‥‥     ‥‥‥‥‥‥‥     静かな車内。 僕は何だか悲しくなってきた…。   君がこんな辛い想いをしていたのに、何故もっと早く気付いてあげられなかったんだろう……。 でもまさか、亡くなった人のことを好きだったなんて…。       しばらくの沈黙のあと、突然、彼女がこう言った。   「優しいんですね。何だかほっとします…。話せたからかな‥。 こんな話 誰にもできなかったから…。」   『そうか。やっぱり誰にも相談できずに悩んでいたんだ…。』   「僕はいつも 君に助けられてる。僕だって、少しでも君の力になりたいと思ってるよ。 こんな僕じゃ頼りないかもしれないけど…。」   僕はまっすぐ前を向いたまま、正直な気持ちを言った。   「もっと早く相談したら良かったのかな…。 1人で家にいるともうどうすればいいのか…落ち込むばかりで…。 会いたくても、声が聞きたくても、それは叶わない願いだし‥‥。」   「うん…。そうだね。辛いな、彼のこと考えると…。」     僕は、そう言うことで精一杯だった。   また、車内を沈黙が包み込む…。      
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加