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沖田は続けた
「お華さん…あなたの話を全部信じたとはいいません。でも、嘘を言っているようにも思えないんです。ただ、切に死を願っているお華さんを斬るほど私は優しくありません。それに…そのくらいの境遇の人は沢山います。いや、もっと悲惨な人も…だから私は同情などしませんよ。」
ワタシを真っ直ぐに見つめ諭すように優しく話す
「もっと生きて下さい。そして、もっと強くなって下さい。……私がこんな事言うなんて、自分でも不思議なんです。女子は苦手ですからね。お華さんだからでしょうか?」
そう言って笑いかける沖田を見てワタシはドキッとした
この時代に来てこんなに優しい言葉をかけてもらったのは初めてだった
頑なだったワタシの心に光が差した気がした
「沖田さん…」
自分でも驚くぐらい自然に名前を呟いた
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