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その日から沖田は毎日顔をみせた
他愛のない会話ではあったが、この時代にきてから体験したことのない幸せを感じていた
「華さん。傷はもう大丈夫だ。痛みはしばらく残るがな。よくがんばったな。」
一日一回良順が傷の診察をしてくれる
今日もいつも通り診察し、傷が完治した事をワタシに告げた
「ありがとうごさいました。先生には本当にお世話になりました。長い間居候させていただいて感謝の気持ちでいっぱいです。」
「あんた、行くあてはないんだろう。あてが見つかるまでここにいるといい。」
しばらく考えたが
良順に甘える事にした
今までのワタシなら拒否していただろう
「お言葉に甘えさせていただきます。仕事と住むところが見つかるまで。今日から診療所のお手伝いもさせてください。体力もつけないと。よろしくお願いします。」
良順に頭を下げた
「そうだな。診療所を手伝ってもらおうか。ここにいれば沖田にも会えるしな。」
からかうようにワタシに笑いかける
ワタシは恥ずかしくてうつむいた
きっと顔は真っ赤だろう
「ははっ。あんた分かりやすいな。午前中は休んで、さっそく昼過ぎからてつだってもらおうかな。」
「はい。頑張ります。」
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