宿命

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「新選組副長の土方歳三だ。華さん。悪いが小姓の話はなかった事にしてくれないか。ここは男ばかりの所だ女のあんたがいるのは、隊士に影響する。何より、新選組に関わる事で命を狙われる事もあるんだ。無関係なあんたを巻き込むわけにはいかない。」 さっきのやり取りとは違い優しい口調で話しかける 「ご心配ありがとうございます。でも…良順先生の紹介ですし、ワタシなりの覚悟はして来ているつもりです。1ヶ月で構いません。働きが悪ければそこで切って頂いていいですので…お願いします。」 ワタシも心機一転、新しい自分の門出にいきなり女というだけで断られるのは納得いかなかった。 「命が危なくなると言っているんだ。女ならもっと他の幸せを見つける事ができるだろう。」 土方は優しい表情でワタシに話す 「ワタシは普通の幸せも女としての幸せもいりません。だから、せめて誰かに必要とされる何かをしたいんです。ワタシは天涯孤独です。生きる事を諦めた時もありました。でも、苦しくても生きる事が大事だって…生きていれば必ず良いときもあるんだって教えてもらったんです。お願いします。この仕事楽しみにしていたんです。」 なにを言っているのか分からないほどワタシは必死だった 「華さんは生きたいんだろう?だったら余計にここには置けない。すまん。」 申し訳なさそうに土方が頭を下げた 副長である人が頭を下げている わたしはしばらく考えたが、今回は諦めることにした 「分かりました…帰ります。」
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