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時が流れた。あの伝説の古龍ラオシャンロンとの戦いから、既に1年が経っていた。その間にジークはココット村から再びジャンボ村へと戻り、平穏なハンターライフを送っていた。
今、ジャンボ村は寒冷期から温暖期への変わり目の季節だった。一年中温暖な気候であるココット村から戻って来たばかりのジークには、少し寒さが身体に堪えた。
久しぶりにジャンボ村に戻ったジークは、その村の変わりように、驚いていた。たった1年で4、5件の家が建設され、港にも多くの(ドントルマほどではないが)商業船が寄港して、積み荷を忙しそうに降ろしている。その港には、何も変わっていない巨漢の船大工の姿もあった。
「やあ、ジーク君じゃないか!」
ぽかんと見とれていると、竜人族であるジャンボ村の村長(名前は知らない)が、いつものようににこやかな笑みを浮かべながら近付いて来た。
やはり、村長は大きな人だ、とジークは思った。身長は自分よりもはるかに高く、竜人族特有の長い耳が付いている。そして、その明るい前向きな性格には、いつもジークは励まされていた。
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