プロローグ

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雲と工場の煙りの境目がない空。道の幅に対して高すぎる茶褐色の外壁。破れて色の無くなったポスター。棒読みで機械的なアナウンス。 モノクロームのように街全体が錆色で統一されている。 おそらく、この街の長所を見付けるには少なからず時間が必要だろう。 現に俺はその片鱗すら見れていないのである。 この街には何かが足りない。 二週間掛けて導き出した答えは、余りにも曖昧な物だった。
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