第一章 夜の航路
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今から2ヶ月ほど前の話。 いつもと変わらない会話の無い食卓だった。早々と食事を終えて部屋へ戻ろうとした俺を母親が呼び止めた。 「ユウ、待ちなさい。」 振り返らずに足を止める俺。 「アイラ、あなたも聞いて。」 俺達は無言で答えた。 「お母さんね、別れることになったわ。」 短い話だったが十分理解できた。 「へ~、それで。」 妹は十三歳。 「おじいちゃんの家に行って欲しいの。」
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