第一章 夜の航路

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祖父の家に向かう飛導艇(ひどうてい)の中、俺は騒音に苦しんでいた。 「すっご~い!ねぇお兄ちゃん、浮いてるよ!これ浮いてる!」 隣に座った妹は一向に落ち着く気配がない。 「耳がキューってなる。何これ!?おもしろ~い!」 離陸した直後は初めて乗る飛導艇にテンションを上げていたのだろう。驚きや感動を恥ずかしげも無く絶叫していた妹だったが、そのうちにそれは両親への不満へと移行していった。
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