モノクロ

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気がつくと俺は自分の部屋にいた 『嫌いだからに決まってるでしょ』 『そんなに昔の私が愛しい?』 桜の言葉が頭から離れない あれが夢ならいいのにと ずっと天井を見ていた すべてが黒と白のモノクロに見えて どうにかなりそうだった あれから俺はずっと瑞樹達とも連絡を取らずにいた 会ったら泣きそうだったから なのに 瑞樹は家まで来た 「入るぞ」 部屋の前で瑞樹の声がした ドアを開け入ってくる瑞樹 俺を見て驚いた顔をしていた 「お前飯食ってんのか?」 「あまり食欲なくて…」 実際3日程何も食べていなかった 「だろうと思って、ほら」 持っていたビニール袋から出したのはコンビニで買ってきたおにぎり3つとお茶だった 「ちゃんと食えよ」 俺の為に買ってきてくれた そう考えるとまた涙が溢れた 「お前、藤咲と何があった」 瑞樹は勘が鋭い 俺の事は何でもわかる 「俺…フラれた…」 内容を全て説明すると瑞樹は何かを考えていた 「藤咲がそんなことを言ったのか?」 「うん…」 俺にはうんと答える気力しか残っていなかった
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