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「静かにしいや～」
姉は机をパンパンと教科書で叩いた。
今回の一番の被害は教科書である。
ざわめきの原因は姉にあったのだが、本人は気づいていないとみえる。
「ナガレ、座りなさい。それと、徳原さんあなたは立たなくていいのよ。
ほら、もう終わったから」
隣の彼女は控えめに手をおろした。
僕は、姉に聞こえないように彼女に言った。
「ありがとうね」
彼女はコクリと頷いた。
その彼女の行動は、賞賛に値すると思ったからだ。
姉は、また数学という呪文を唱え始めた。
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