近づく接点

友達

新井は僕に目を向けて、眉に力をいれた。

彼女の顔を見ているうちに僕の心の中では黒い物質が渦巻き、心の闇をかき集め、自分をのみこもうとしているような絶望感が襲った。

気が狂いそうになる。懐かしいのか会いたくないのか分からない。

「誰なの？」

ぷぷぷと悠真は笑いを堪えていた。
彼らは昔と比べ、顔の輪郭と性格以外の全てが変わっていた。

僕も昔とは変わっているはずだ。
ただし、悠真は一瞬で気づいたのだが。

「流だよ。な ぐ も な が れ」

悠真がそう言うと新井の表情、体の全てが固まったようだった。
誰が見ても分かるぐらいに、フリーズしていた。

そういえば、僕達はよく四人で遊んでいた記憶がある。
いや、三人だった。……あれ？何人なんだ？
……思い出せない。記憶が断片を失ったように思い出せなかった。

最低でも、三人以上だったとしておこう。

そうすると、心を締めつけようとしていた紐が緩み、なくなった気がした。

爽やかな気分だった。つい、背伸びをしてしまうぐらいだ。