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「あ~あ、やっと終わったぜ~」
あれから時間が経ち、午前12時30分。今日は終業式しかなかった為、俺は朝来た道をゆっくり戻っていた。
「ん?なんだ?」
その時ふと、薄暗い裏道が視界に入った。
いつもは見向きもしない裏道…だが、今は裏道から不思議な気配が感じられた。まるで、そこに何かが有るかのような…。
「行って…みるか」
俺は意を決して、裏道へと入っていった。これが…俺の運命を変えるとも知らずに…。
裏道は結構入り組んでいたが、行く場所がわかっているかのようにスムーズに進む事ができた。
やがて見えてきた物、それは行き止まり。だが、その周辺が不自然に光っているのが見えた。
「なんだ?あの光…」
俺は駆け足で光の元に向かう。
そして絶句。
「なんだよ……これ…」
俺が見た物、それは丸い円の真ん中に五芒星が書かれていて、その周りに謎の文字が書かれていて、淡い光を放つ、漫画等でよく見る魔法陣と呼ばれる物が、そこには有った。
「オイオイ…ファンタジーかっての」
俺は額に手を当て、自虐的な笑みを浮かべる。
「でもこの光…なんだか懐かしい…」
そう言って、俺は魔法陣に触れる。
刹那――。
反応するかのように魔法陣が強く輝きだした。
「なんだよこれ!?」
光が俺の身体を飲み込み始める。
「え、ちょ、嘘!?…うわあぁぁぁああ!!」
そして、俺の体は完全に光に飲み込まれた。
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