第一話 決意

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遂に、この日がきた。   私達は今、バスで旧某国某所にある能力者強制収容所の近くまで来ている。   あっ、自己紹介がまだでしたね。   はじめまして、東宮寺恵です。   なぜ、私こんなところにいるのかというと、それはさかのぼること、2日前のことだった。     東宮寺グループの当主であるお父さんに連れられてイギリスのイルティスグループ当主のイルティス氏の家を訪ねた。   うちとイルティスグループは当主同士が親友ということもあるが、うちの兄貴の陽介とあちらの娘さんのレイラさんが婚約してから一段と交友することが多くなった。   もっとも、この二人は政略的に婚約させられたと思われがちだが、実は大恋愛の末の婚約だったのよね。   いいなぁ、私もいつか……。     そうこうしているうちに私達はイルティス家に着き、大広間に通された。   そこには、イルティス一家と知らない男性が三人いた。   「テンペラー先輩じゃないですか。お久しぶりです。」   「おぉ、東宮寺か。一昨年、ロサンゼルスであって以来だな。」   「お父さん、お知り合いですか?」   私はお父さんに尋ねた。
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