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やがて、バスが止まった。
どうやら、到着したようだ。
「よし、行くぞ。」
兄貴が先頭をきって、バスから降りる。
レイラさん、クリス、私とその後に続く。
バスを降りると、そこには4メートルほどの金網があった。
「案外、簡単に入れそうね。」
レイラさんが金網に手を掛けようとする。
「姉さん、触っちゃダメ。」
クリスの怒鳴り声で、レイラさんは手を引っ込める。
「姉さん、ルイさんが金網には高圧電流が流れてるって言ったの忘れたんかい。」
「あっ…そんなことないわよ。」
レイラさんは誤魔化そうとした。
どうやら、図星のようだ。
「さて、ここは俺と恵に任せな。」
「兄貴、何するつもりさ。」
「まぁ、任せとけ。恵はあと四五歩、金網にそって動いて。」
私はとりあえず、兄貴に言われた通り移動する。
すると兄貴も私と反対方向に動く。
「よし、そうしたら、金網に同時に電力を流すぞ。3、2、1。」
兄貴がカウントしてすぐ、私は手から電気を発生させ、金網に放す。
そう、私と兄貴が得た能力は電気を操る雷の力。
兄貴と同時に電流を流すことで金網の電線がショートして、爆発が起こる。
金網には大きな穴が空いていた。
「ちょっと、派手にやり過ぎじゃない?」
レイラさんがあきれ気味に言う。
「まぁ、大丈夫だろ。よし、行くぞ。」
そして、兄貴を先頭に私達は煙の向こう側にある収容所へ向かった。
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