960人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
エリーの願いを聞いた周りは人魚たちは騒然としました。
するとその時
『お父様!!』
怒りに満ち溢れた姉たちが、ズカズカと父親の元へ歩み寄りました。
『お父様!
エリーの願いを聞き入れるつもりですか!?
人間になりたいなんてふざけた…』
興奮した姉たちを王様は制しました。
そして静かにこうおっしゃいました。
『たしかに、魚を食らう人間という野蛮な生き物になりたいという願いは快くない。
むしろ不快だ。
だが…
成人の儀で願いを口にした以上、その願いは叶えなくてはならない掟だ。』
『しかし…』
『わしの言うことが聞けぬのか?』
王様は鋭くエリーの姉たちを見定めると
『申し訳ありません』
と姉たちは引き下がりました。
エリーは喜び
『お父様ありがとうございます。』
と涙ぐみ、父親に感謝しました。
そして父親は厳かに
『1日だけということを忘れるんじゃないぞ』
『わかっております。』
その様子を見ていた姉たちは
『『覚えてらっしゃいエリー…。
そうして笑っていられるのも今のうちよ……!!』』
幸せそうなエリーを姉たちは憎しみを込めて睨みつけました。
最初のコメントを投稿しよう!