960人が本棚に入れています
本棚に追加
そう低い声で家来をたしなめたのは
颯爽と馬車の横から現れたシルヴァ大臣でした。
『か弱い女性になんてことをするのだ。
王様がお怒りになられているぞ。』
そう大臣が家来に言うと、家来は顔を真っ青にさせ
『も…申し訳ありません!』
と言うと一目瞭然に馬車の先頭列へ戻りました。
そして、エリーは慌ててシルヴァ大臣に
『ありがとうございました。』
と頭を下げました。
するとシルヴァ大臣は優しく
『お嬢さん大丈夫ですか?
私の部下がすみませんでした。
私はシルヴァと申しますので何かあったら宮殿へお越しください。
では。』
爽やかにそうエリーに言うと
馬車の横列へ戻って行きました。
『シルヴァ…様』
と頬を薔薇色に染めてその様子をジッとエリーは馬車が去るまで見つめていました。
一方
街を後にしたシルヴァは
『『美しい女性だったな。
しかし、名前を尋ねるのを忘れてしまった。
またあの女性と会えないだろうか…』』
最初のコメントを投稿しよう!