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『素晴らしい…』
王様は満足そうにドレスの下から覗くエリーの尾びれを眺めていました。
『ひどい…』
エリーは悲しみで頬に後から後から涙が伝っていました。
『わたしのものになる気になったか?
人魚姫』
『私を海へ帰して、
お父様の元へ帰して…』
パシンッ!!!
『きゃっ!!』
王様はエリーの頬を思いっきり打ちました。
『お前の為にどれだけ苦労したと思っている。
そのためにお前の姉たちと取引したのだからな。』
『お姉様ですって?』
エリーはびっくりして聞き返しました。
『お前が知らなくていいことだがな。
もう一度聞く
お前はどうしても海へ帰りたいか?』
『海に…家に帰りたい。』
『そうか』
王様はそう言ってテーブルの上にあった鈴を鳴らしました。
『お呼びでしょうか?』
するとシルヴァが部屋に入ってきました。
シルヴァはエリーの姿を見て
『王様これは…?』
『シルヴァよ。この者を牢に入れよ。』
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