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「ごめんね、文貴」
「べ、別に、いいけど・・・」
勇人はずるい。
笑顔で名前呼ばれたらどんないじわるでもゆるしちゃうの、わかってる。
怒ったふりしてキスの一つでももらっちゃおうとおもったのになあ。
「ご飯、できてるよ」
「うん」
「本当に、ごめんね?」
「怒ってないよ?」
「それならいいけど」
本当に怒ってないんだけどなー。勇人がチラチラ俺の方をみて様子をうかがってくる。
もう、可愛いんだから!
ちゅっ、とこっちを向いたすきにキスをひとつ。
「は、わわっ!?み、水谷っ!?」
「えへへ、仕返し」
「っ、ば、ばか!!」
「これでおあいこだよー」
満足そうに俺が笑うと勇人は顔をまっかにして台所にかけて行った。
台所に行くと二人分の夕食。もしかして待っててくれた、のかな?
「俺もお腹すいてるんだからはやく食べるよっ!!」
「待ってて、くれたの?」
「ひとりで食べるの、寂しいだろ」
「勇人・・・。ありがとっ!」
「どうしたしまして。ほら、早く座って。いただきます」
「うまそう!!いただきまあす!」
「まだやってるんだ、それ」
「いちおーね」
懐かしいな、なんて言いながら食べる勇人をチラッと見ると目が合った。
勇人は慌てて目をご飯に向けて食べ始める。ほんのり頬が赤くて、それがまたかわいいなあ、なんて。
こんな幸せなら、俺毎日残業やっていけるかも。
ちゃんと残業分の給料もつくし、一石二鳥じゃん!!
んで、給料をいっぱいもらえるようになったら勇人にプロポーズして結婚するんだ!
きっと毎日が幸せだろうなあ。
「勇人、ありがとね!」
「いきなりなんだよー」
「言いたくなった!」
「そっか。どうしたしまして」
そしてその笑顔が続くように俺がずっとそばにいてやるんだ!!
*nextおまけ*
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