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「さかえ、ぐち・・・?」
「ねえみずたに」
「う、ん・・・?」
「ずっと一緒だっていうんならさあ」
「・・・・うん・・・」
「今すぐ一緒に、ここで死のう?」
「は、」
この時の為に、毎日果物ナイフ持ってきてたんだ。準備がいいでしょ。
そしてちゃんとそれを水谷に向けて振り下ろした。
なのに、なんでかなあ?
「なん、で」
「ちょ、っと。危ないじゃんかあ」
「なんで一緒に・・・」
「別にさ、」
水谷は振り下ろされた俺の腕を掴んで何事もなかったかのように続けた。
「今すぐ死ななくても、よくない?」
「なんで、なんでなんで!なんでさあっ!!」
「お、落ち着いて・・・っ」
「だって死ぬまでずっと一緒にいれるなんてわかんないじゃん!俺は、ずっと一緒にいたくても、水谷がどっかいっちゃうじゃん!!そんなのやだよ、俺はっ、ずっと水谷と一緒が、」
「栄口」
俺の手から果物ナイフがするり、と抜けた。そしてそれは水谷の手の中にある。
俺は荒くなった息を整えながらそれを見た。
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