37人が本棚に入れています
本棚に追加
-ざくっ-
本当にそう聞こえそうなほど勢いがよかった。そして水谷の左の小指からは血が次々とあふれ出る。
それがなぜだか安心できた。
「ほら、栄口。小指だしてよ」
「え・・・・」
「約束!指切りげんまんっ」
水谷は止血をしようともせずそのまま俺に小指を突き出してきた。俺は言われるままに小指をからめる。
「あのさ、栄口」
「あ・・・」
「今すぐ、不安な未来を捨てなくてもいいんだよ」
「う、ん」
「少なくとも、高校生を卒業するまでは一緒」
「・・・・」
「朝も、俺が迎えに行くし、帰りも俺が送っていく。休み時間は一分でも栄口の様子を見に教室まで行く」
「え・・・?」
「家にいる時、寂しくなったり不安になったらすぐ俺に電話してよ!!ワンコールででちゃうんだからっ」
「水谷・・・・」
もし俺が不安になって、また混乱しちゃっても水谷がこうしてとめてくれるよね・・・?
俺を止められるのなんて、水谷ぐらいしかいないし、それに水谷じゃなきゃだめなんだ。
最初のコメントを投稿しよう!