はじめに

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僕は偉い 僕は偉い そう、僕は偉い 幼い頃からそう言われ育ってきた 「これくらい貴方なら簡単でしょう?」 「さすが貴方ね」 「貴方の将来が楽しみだわ」 「貴方は私達を失望させないわよね」 当たり前 僕が失敗するわけない 僕が解けない問題があるわけない 僕が僕が僕が 僕は凄いんだ ただお前達の言う事を聞いているだけで 僕の将来安定確実 それ以外何も入らない なのに何故 僕は今ここにいる 髪も髭も伸び放題 腕にあるはずの高級腕時計 何故無い 身なりも汚い 家は固い紙きれ 財産 そんなものはない 僕はこんなにも頑張ったのに 僕はお前達の玩具になったのに どうしてお前達は僕を捨てた 僕は凄いんだ偉いんだ何でもできるんだ 何故 僕はあんなにも頑張ったのに 僕の手元にはなにもないんだ
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