空室

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「では、失礼します」 「あっ...はい失礼します」 田中さんは、エレベーターに乗って部屋に帰っていった。 「結局一人になっちまったな...」 これでは、自分の部屋といるのは一緒だな。 もぅちょっとだけ待ってみるか。 広い部屋で、一人だけはやはり寂しかった。 -----------30分後----------- こんだけ待ってて流石に、ありえないな。 帰ろうか、と思って席を立つとエレベーターから音がした。 「チーン」 「俺の飯♪俺の飯♪」 エレベーターから降りてきたのは、眼鏡をかけ髪の毛はパーマで、服はタンクトップを着た中年お兄さんだ。 いかにも、工事現場にいそうな人だった。 「あのー...」 「へっ?ごめん俺忙しいんだ」 パーマのお兄さんは、ご飯を持ってエレベーターに乗った。 「さらばじゃー」 「...」 あまりの一瞬の事で目が、点になった。
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