~始まりの日~

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『ねぇダイキ聞いて聞いて!嬉しいお知らせがありますよぉ』 後片付けが終わってリビングでくつろいでいると突如、背後からヤヨイが大きな声を張り上げる。するとそれに反応して、ダイキの肩が思わずビクッと震える。 『嬉しい知らせ?気になるね。聞かせてよ』 『よくぞ、聞いてくれましたぁ。では発表致します。実は商店街の福引きで当たりました!それも一等賞だよ!一番だよ!』 『へっ…?』 ヤヨイによるまさかの仰天発言にダイキは、口をぽかん、と開けた状態のまま、間抜けな声を出してしまう。そんな彼の今現在の状態を漢字一文字で表すとすると、 【呆】という字がまさにあてはまる。 『へ、へぇ~凄いなヤヨイは』 だがそこは、ダイキ。すぐさま気持ちを切り替えると冷静に返答を返すのだがあまり、落ち着いているようにも聞こえない口ぶりだ。
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