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「やっぱり女王様だよね✨」
「女王様には逆らえないでしょ❗」
と生徒たちに言わせるだけの、功績を残し、言動や振る舞いさえも女王と言わせるだけのものである。
…―――バァァァン❗
生徒会室に音が響き渡る。
生徒会長専用の席に座る梨音と、机を隔てて向かいに立ち尽くす櫻井拓海だ。
机の上には書類の束が置かれていた。
「…これは何?」
「今年度の各部活の部費の予算案デス…;」
「そんなことを聞いてるんじゃ無いの…。解らないの?」
(まさに女王と家来の図だなぁ…)
(またかぁ、いつものことだからなぁ…)
と、自身の仕事をこなしながらも生徒会役員たちは思っていた。
いつまでも無言で立ち尽くす拓海を一瞥すると、小さく溜め息をはき、隣に座る村瀬純弥【ムラセ ジュンヤ】に書類の束を無造作に掴んで渡す。
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