水面の韻

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 黄昏時――  波紋広がる睡蓮の  紅い華の下から聲がする 『其れは河童の聲だ』 と  誰かが云うた 『其れは鎮魂の詠ぞ』 と  誰かが云うた  其処を通る人間を誘い  水の中に惹き入れるのだと  水の底に引き沈めては  其の御身魂を喰らうのだと
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