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「…間宮君、君についてはもう特別にお説教の必要はありませんから、…その、怯えたような態度を止めていただけませんか。私が悪者のようでいたたまれないんですが…」
「えっ、あ!す、すみませんっ」
怯えた…つもりはなかったけれど先生にはそう見えてしまったらしく、僕は再び頭を下げた。
「いえ、だから…」
「――――…ぶっ」
先生の声と共に聞こえたのは、アイツが笑いを堪えきれずに出てしまったと思われる噴いた音。
は?、と訳が分からず先生と二人して声の主の方へと顔を動かす。
「ははっ……お前、ほんと、謝ってばっかりだな。て、ゆーか…怯えてる小動物みてぇ」
言いながら、尚も笑っている。
君嶋先生は呆れた、という顔で、ふるふると力無く首を横に振っているだけだった。
が、僕は聞き捨てならなかった。
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