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「ッ……ふざけるな!」
僕が声を張り上げると、2人は驚いたように僕を見つめ、キョトンとしている。
「僕がっ…僕がこんなに謝らなくちゃいけなくなったのは誰のせいだと思ってるんだよ!…確かに、僕も悪かったと思うから、だから…ここにだって残ったし、謝った。だけどっ……!」
そこまで一方的に捲くし立てて、はっと気付く。
僕を見つめる2人の視線が、痛い。
「あ………」
おそらく2人には全くそのつもりは無かっただろう。
しかし僕にはその視線には耐えられず言葉ではなくただ、音にしかならない声を漏らすだけで目の前のどこかを見つめたまま、どうしよう…と、ただそれだけを考えた。
「あ、……あの、別に、僕は悪くなかったと言いたい訳ではなくてっ…その、」
軽いパニック状態の僕は、自分が何を言いたくて口を開き、一体何を言っているのかが分からなくなっていた。
「………え?」
突然頭に乗せられた掌の重さと、…温かさに驚いて僕の前に立つ人物を見上げれば、そこには"あいつ"がいて。
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