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で、結論を言うと……僕はどうやら同性に告白されたみたいです……。
僕は生まれてこの15年の間に、『恋』って呼べるものの経験は見当たらない。
でも、僕は女の子が好き……というかとりあえず、同性に特別な感情は抱いたことはないわけで。
偏見、と言われてしまえばそれまでかもしれないけど、僕は男と付き合うなんてごめんだと思ってしまう。
「―――――――…ぶはっ」
後ろを振り返り、声の主をみつめたまま、ぐるぐると思考を廻らせていると、僕をパニック状態に陥れた張本人が腹を抱えて笑い出した。
「わ、笑い事じゃないだろっ!」
「あー……悪い悪い。お前があまりにも予想通りの反応するからさ」
そいつは笑いを堪えているらしく所々言葉を途切れさせながら話している。
「ふざけるなっ!!いくらぼ……」
「――――……そこ、静粛に」
僕が言い切らないうちにスピーカーから聞こえる声。
その声にはっとする。
(――――っ!!僕、式中になんてことを……)
まだおかしそうに小さく肩を揺らしている目の前のソイツは、もう、僕の視界になんて入らなかった。
頭が真っ白になり、どうすることもできずに口を中途半端にぱくぱくとしていることしかできない。
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