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───*───
「遅えッ!」
と、教室に入るやいなや竜貴に怒鳴られた。
「…遅いって言われてもさぁ、それは高田のせいだよね。」
軽い言い訳くらい許されるよね?
「まぁ、高田さんはしょうがないな…。」
ふぅ、と竜貴は息を洩らすとニヤリと意味ありげに僕を見た。
「……何か?」
「結宇、お前もなかなかやるなぁ。」
満足気に言われるが、わけわかんない。
何言ってんの?コイツ。
「はぁ、なんのコト?」
「いやいや…2年の子と話してたじゃんッ(笑)」
「………いつから見てたの?」
盗み見とは、お暇ですね。─と、心の中で思ってみたりする。
言葉にしては言わないよ。だって、竜貴を長時間暇にさせたのは僕だからね。
「いや、最初から。ってか結宇、あの子と仲良かったっけ?」
昼間の団地のおばちゃん達におとらず食い付いてくる竜貴。
僕は、昨日の出来事を全て竜貴に話した。
「ほぉ~…なるほどなぁ。」
とぼとぼと、帰り道2人で歩きながら話終えると、竜貴がつぶやいた。
「そう言うコト。」
サラっと僕が言うと、う~ん。とうなりはじめた。
「何、どうしたの?」
少し心配になって声をかけてみる。
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