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「あの子、可愛いよな……。」
何を言うかと思ったら。
「……そうかね。」
適当に返事すると、よし!と竜貴が叫んだ。
「な、何!?」
「結宇、ねらえッ!!」
「はぁッ!??」
マジで何を言いだすのこの子……。
呆れてる僕をよそに、竜貴は目を輝かせて続ける。
「中谷さん可愛いし、結宇と似たような趣味じゃんか!」
「似たようなって……あの、ダンスとよさこいは、かなり違うよ!?」
「俺からみたら一緒だよ。」
「そうですかぁ……」
ちょっと寂しげに言ってみたりする。
あ、それに!とパチンと指を鳴らす竜貴。
「なんか、中谷さんと話してる結宇、楽しそうだったよ。」
「はぁッ!?」
と、しまった……思い切り叫んでしまった。
僕、そんな顔してた??
「まぁ、もしかしたらもう…(笑)」
またまた意味ありげにニヤける竜貴。
「何よ?」
「いやーなんでもない!まぁ、これからが楽しみだわ♪じゃぁな!!」
そう言うと、いつもの分かれ道をスタスタと歩いて行った。
僕が「バイバイ」と言おうとした頃には、もう竜貴の姿は見えなくなっていた。
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