回る歯車

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―――*――― うわぁ……気になる。 無事コンビニに着き、飲み物コーナーへ直行した僕ら。 そこで出会ったのは、なぞのペットボトル【田中さんの涙】。 たっ、田中さんッ!? 白いラベルに筆文字で思いっきり【田中さんの涙】と書かれている。 定価146円という微妙なお値段で売られている、我らが田中さん……。 「コレ、何?」 横で葵が首をかしげる。 やっぱ、誰も同じ反応なんだな。 「最近はよくわかんないモノが売ってあるね。」 と、心がスポーツ後の王道ポカリを片手に感心している。 「おいしいのかな……。」 ミズキも爽健美茶をチョイスして首をかしげた。 『さぁ~………。』 夜のコンビニの飲み物コーナーで首をかしげている中学生4人組。 コレ警察に見つかったら絶対、事情聴取行きだよな。 すると、葵がそうだ、とつぶやいた。 「よし!結宇、買って!」 葵さん!?なぜそうなる? 「なんで僕なの!?」 「だって気になるもん。」 理由になってない。 「葵が買えばいいじゃん。」 「いいでしょ?お願いっ」 う……そんな顔で頼むなぁッ(汗)!! 「こんな可愛い後輩が頼んでるんだから、買ってあげれば?」 心がポン、と肩に手を置いた。 君、ポカリを持って何を言う。 でも……この顔はちょっと卑怯。 よくわからない飲み物VS王道ポカリ。 レディ、ファイッ!! 「146円です。」 結局僕は葵に負け、田中さんを手にしてしまった。 これでマズかったら……全国の田中さんを恨みます。 .
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