初恋のダンス

いつもの世界に

「おｯ！来た来た♪」
「こっちだよ」

本部に入ると、そこは広いホールみたいな会場。

皆さんびちょ濡れなのに、あきらかに服が乾ききっている隊長とTRIPのあの人。

他の隊のメンバーやダンスチームの人達は寒そうに体を震わせている。

着替えていい、と言われたので僕は、玄武踊り隊のTシャツに着替える。

TRIPの皆も着替えるみたいだけど、どっか行っちゃった。
まぁ、しょうがない。　　ウチは男も女もいるチームだけど、TRIPは女の人だけだからね。
あ！別に、着替えを見れなくて残念とかじゃないから。
そんなふしだらは、許しませんｯ。

「さ、皆さん集まったね。今日はお疲れ様でした。　雨が降ってきて、ハプニングだったけど(笑)」

全くだよ……ちくしょう。心の中でうなずく。

「えっとですね、今度１ヶ月後にお祭りがあるんですけど…よさこい玄武踊り隊の皆さんと、TRIPで共演することになりましたぁ♪」
パチパチと拍手するTRIPの頭の人。
続いて隊長も拍手をするもんだから、皆さん空気を読んで拍手し出した。

ん？てか共演？？

「次の練習の明後日から、一緒に練習するのでよろしくお願いしますｯ！」

……らしいです。
なんか、共演って響きがいいよ。

『よろしくお願いします！！！』

と言うワケで（どぅ言うワケで？）、決まりです。

「んじゃ、解散！！」

『ありがとうございました！！』

深々と礼をして今日は終わった。

帰る時に葵に、「また明日学校で。」と手を振られ、明日も会える事を心のどこかで喜んでいり自分がいた。