いつもの世界に

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───*─── 「はぁ~~~……ッ。」 職員室を出て、僕は14年間生きてきた人生で一番長いため息をついた。 このため息も長いけど、高田さんの話も長かったよ。延々と怒られ(たまに激しいチョップが飛んでくる)、約1時間20分でやっと今解放されたトコ。 「なに長いため息ついてるんですか?愛と幸せが逃げていきますよ??」 後ろから、透き通った声。昨日ぶりなだけなのに、ひどく懐かしい感じがする。 「あ、葵。」 そこには、優しい笑みをうかべた葵がいた。  「はい、葵です(笑)どおしてため息なんかついてたの?」  いきなり痛いトコ突いてきますね……。 「いや……高田さん行きになっちゃってさ。」 そう言うと、葵が笑いだした。 ってゆうか、笑いすぎ。 「─ッ(笑)……なんで高田さん行きになったの?」 笑っていて声が震えている。 そんなに面白い事か? ……でも、やっぱり笑ってる顔は可愛い。 「授業中、欠伸したらチョークが飛んできた……。」 「…………バカ(笑)」 葵がボソっとつぶやいた。何か言ったかこのやろ。 「お前今、バカって言った?」 ちゃんと聞こえてるから。こちら聴力異常なしだから。
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