卒業

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卒業

 家に帰っても考えがまとまらなくて  一日経っても一週間経っても  結論はでなかった  できれば考えたくなかったのかもしれない      三学期に入ってからの日々は 早く  卒業試験が終わると二月は  もう自主登校  就職が決まっていた私は  就職先での研修や何やらで  いっぱいいっぱいな毎日    そうしているうちに  卒業当日を迎えた    卒業式が終わると  ここの高校恒例行事  後輩と先生方による  アーチの中  後輩達からの紙吹雪や  花束で祝われて  進んで行く    ふと見ると  アーチ最後に  先生の姿    見つけた瞬間  涙がどっと溢れて来た    (先生大好き)    心が叫んだ    (どうして解らなかったんだろう)  (どうして好きって言えなかったんだろう)    でももう言えるはずもない    段々先生のところに近付いていく    さよならの瞬間が訪れる     先生と目が合う    フッと笑った いつもの顔で    『おめでとう幸せにな』    頭をクシャっと掻き回す    言葉なんて出なかった     ありがとうもごめんねも  さよならも言えなかった    桜の新芽が  なごり雪に隠れてた  
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