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「そこ邪魔、通して。」
「・・・ウゼェー」
廊下で友達と話している俺らに向かって、サキが言った。
中学に入ってからの俺は少し荒れてた。ほんの少しだけ。
中学で禁止されている香水を付けたり、髪をワックスで立てたり、ネックレスを付けたり。
真面目しかいない学校で俺等『不良グループ』は少し浮いていた。
そんな俺等に『邪魔』だの『どけ』などと注意できる生徒は今までいなかったから、俺等にとってサキは異色の人材だった。
今思えば、これが俺等の初めて交した言葉だった。
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