sweet love 2

2/3
前へ
/25ページ
次へ
「……なに」 カラコは口を尖らせながらそう言う。 ふてくされているらしく、眉をつり上げている。 その隣りに、カラコがふてくされている元凶がいた。 「………その……この間は、悪かった…」 バツが悪そうに、ぼそりと呟くヒドゥ。 「あぁん?なんだってぇ?」 カラコはヤクザ座りをしながらヒドゥを睨み付ける。 「だーかーら、この間はすんませんでしたっつってんの!」 ヒドゥは、はぁ…とため息漏らしながらそう言った。 するとカラコの睨みが一層キツくなる。 「……ほんとに反省してないだろ」 「…あぁ」 「………………」 ヒドゥのあっさりとした返答に、カラコはふぅ…と顔の力を抜いた。 「わかってるよ。どーせガシャとプルナに怒られたんだろ」 「………ははっ…まぁな。 正確に言うと、チョモラも加わって3人がかり。逃げんのに苦労したぜ。 ………お前ってさ、男にモテるんだな」 「……言うなよ。気にしてんだから」 ぷぅっと膨れるカラコにヒドゥはクスリと笑う。 「ま、お前はララト大好きっ子だもんなぁ。せいぜい後でもくっついてろよ。 その内相手にしてくれるかも知れねぇぜ」 ニヤニヤと笑いながら座っているカラコの顔を覗くヒドゥ。 ばちりと目が合いカラコは逸した。 「…っだから!言うなよ!恥ずかしいな!!」 「ははっ!初な奴!そんじゃオレは帰んぜ。 そんな所で座っていて風邪ひくなよ」 じゃあな、とヒドゥがカラコの隣りから離れようとした その時…… 「………っと?」 何かに引っ張られ、ヒドゥは足を止めた。 カラコがヒドゥのズボンを引っ張っていた。 「………なんだよ?」 「………明日……ヒドゥ、偵察なんだろ?」 「……?あぁ、そーだけど?」 ヒドゥは別にいつもの事、というように平然とそう言う。 すると、ズボンを握り締めていたカラコの手が震え始めた。 「…………死ぬなよ……!」 か細い声でぼそりと呟く。 ヒドゥは、しばらく驚いた顔でカラコを見つめていた……が、 「………………っぷ………ぶふっ……!!」 ヒドゥは咄嗟に口を手で押さえ、笑いをこらえた。 「ちょっ!!!何笑ってんだよ!!こっちは本気で…」 その笑いにカラコはそう言いながら立ち上がるが、最後まで言い切ることができなかった。 ……不意に、ヒドゥがカラコの涙を指で拭ったからだった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加