こんなの日常茶飯事

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   麻美は秋人を追い抜かして由希の隣まで来ると、秋人の方へ振り返り、ニヤリと嫌な笑みを作った。  そして、さも今気付いたように発言する。   「あ~ら、秋人君いたの? あまりにも哀愁漂ってる背中だったから、嫁を怒らせてシカトされてるどこかの旦那かと思ったわー」    オ~ホッホッホッと、女王様の様な高笑いをし、秋人を見下すような目で見た。    なんと言うか、確信犯だ。    麻美もまた、二人の幼なじみである。    由希にとっては無二の親友だが、秋人にとっては悪友の様なもので、事ある毎に邪魔されたり協力されたり……。と、振り回してくれる人物なのだ。    そして今回も……。   「てめぇ……」   「なあに? 秋人君。図星だったの? じゃあ由希は私がもらうわ。精々悔しがって吠え面かきな!」   「ちょ、ちょっと……麻美……」  
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