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そう言い残し、秋人は客室へ移動すると、由希をベッドに横たわらせた。
少し離れて由希の顔を覗き込むと、由希は瞼を振るわせ、目を開けた。
「あき、と?」
「ごめん。起こした?」
「ううん。起きたの。ねえ、あきと」
まだ眠そうに、とろんとした目を秋人に向けて、由希は聞き逃しそうな程小さな声で呟く。
「あきとも、ゆきからはなれちゃう?」
「んなことありえねーよ。俺達はずっと一緒だ! 俺は由希から離れたりしない」
秋人は、そう言うとニコッと笑い、由希の頭を撫でた。由希も嬉しそうに微笑んで、小指を立て、手を差し出す。
「ぜったい、ずっといっしょね」
「おう」
そう、二人は約束した。
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