こんなの日常茶飯事

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  「行ってきまーす」    今日も彼女は、学校とは反対側へ向かって歩く。いつも一緒に居る、大好きな幼なじみの元へ。    毎度のことながら、朝の彼はインターホンの音にすら気付かない。  それをわかっていても、律儀な彼女は毎回インターホンを押すのだ。    彼がまだ寝ていることを確認してから、合い鍵を取り出して、鍵を開けると、彼女はやっと彼の家へと入る。    彼が高校にあがる半年ほど前に、彼の父親がロンドンへの引っ越しを決め、一緒に行くことにした彼の母親がくれたのだ。    その時に「秋ちゃんの世話、適当でいいからやってくれない? あの子、ほっとくとご飯もまともに食べないから」とも言われていた。    彼を起こす前に朝食の準備をする。  絵的には、制服を着た新妻っぽいが、彼女にとっては照れも躊躇いもない日常だ。   「よし! 秋人お!」    階段をパタパタと音を立てながら上がり、秋人の部屋の扉をノックする。  が、いつまで経っても返事がない。    これもいつもと同じこと。  
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