こんなの日常茶飯事

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   図星を指された秋人は黙ってベッドから降りた。    不貞腐れた様にクローゼットへ歩み寄り開けると、そのまま動きを止めた。    一連の動作を見ていた由希が、静止した秋人に不思議そうな表情を作り、問いかける。   「? どうかした?」   「……着替えるんだけど、見るの?」   「! み、見ないわよ!!」    壊れるんじゃないかと思うほどの音を立て閉まった扉を見つめ、遠ざかっているはずなのに、未だに聞こえる階段を降りる音を聞きながら、秋人は頬を赤く染めて怒った由希を思い出し、声を殺しながらも可笑しそうに笑った。  
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