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「う・・・う・・・う・・・ん」
水滴が額に落ちている。
民家は半壊していて、室内は瓦礫が散乱している。
「な・・何があったんだ・・」
まだ、完全に覚めてないため視界がぼやける。
「田辺、山口は・・・。」
親友だったあいつらを探そうとして仰向けの状態から立ち上がる。
歩きながらまわりをみると夜明けだ。何時間も気絶していたことがわかる
グチャ・・・・。
何か踏んだ。ゴミか?
と思い下に目を移す。
「うわ―――。」
ゴミだと思ったのは山口の首であった。
まわりをみると手や足などが落ちている。
確か、俺を入れて20人だったはずだ。全滅したのか。
妙に汗が気になり袖で拭う。しかし、袖は真っ赤に染まる。怪我をしていると思い顔を確かめるが、外傷はない。
一瞬安堵したが俺が気絶していたところには血溜まりができていて、血が水滴のように天井から落ちている。
その血の源を目で辿ってみる。
俺は、一瞬目を疑った。
天井には両腕がちぎれ、瓦礫に引っかかっている田辺だった。
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